歯周病とは、お口の中の歯垢(プラーク)や歯石の中に潜む細菌によって、引き起こされる病気(感染症)の事を言います。
歯周病は、歯肉炎という軽度の炎症期と歯周炎という中程度~重度の炎症期に大別されます。
その二つの炎症期の大きな違いは歯槽骨(顎の骨)の吸収、つまり骨が溶けてしまう症状を伴うかどうかという点です。
・歯茎の腫れ
・ブラッシング時の出血
・口臭
・痛みやむず痒い感じ
などが症状としてよく見られます。
さらに、歯周炎へと進行すると、
・歯肉炎の症状さらに強くなり膿も出る
・歯槽骨(顎の骨)の吸収
・歯のぐらつき
・噛んだ時の痛み
などが症状としてよく見られます。
しかも、歯周炎で失われた骨は自然治癒することはありません。(一部例外を除く)
また、歯周病は炎症期と停止期を繰り返すため一時的に症状が緩和し、表面上は落ち着いたように見えますが、根本的には治癒していないことが多いです。
症状の緩和などには免疫力も大きく影響しており、疲れやストレスが溜まった時、体調が悪く免疫力が下がった時などに強く症状が出ることもしばしばあります。
完治することはほぼ不可能だと考えられており、一生付き合っていく疾患と考えられています。
しかし、歯周病は歯科医院で行う歯の表面のお掃除や歯磨き指導などの治療を行うことにより歯ぐきの状態を安定化させ進行を抑制することができます。
皆様のお口の健康を守るためにも歯科医院での予防処置が大切です。
歯周病に罹患しているにもかかわらず放置してしまった場合、前述したように粘膜の腫れ、骨が溶けてしまう事により歯を支える大切な組織を失う事になります。
もちろんしっかりと物を噛むことができなくなり、治療をしようと思っても手遅れになり最悪抜歯に至ることも少なくありません。
入れ歯やインプラントに頼らなければならなくなり、煩わしさや費用面など様々な弊害が患者様に生じます。また、幸い抜歯をしなくてもいい状況であったとしても、歯周ポケットと言われる歯茎の溝の中に溜まった歯石を除去しなければなりません。
その処置は痛みを伴うことが多く、麻酔を併用する事も少なくありません。
深い歯周ポケットがある場合は、歯石を除去する装置が届かないため、歯ぐきを開いて歯石除去や汚染組織の除去を行う歯周外科手術を行わなければならない場合もあります。
このような処置はほぼ全ての患者様が嫌がられる治療かと思います。
このような治療を行わないでいいようにする為には、定期的な検診で歯石除去を行い歯科衛生士による歯ぐきの点検が必須となります。
もちろん自宅での患者様自身によるケアが最も大切な為、自宅でのケアに関するアドバイスやサポートも当院でバックアップしていきます。
また、喫煙は歯周病を悪化させる最悪の習慣です。
どれだけ綺麗にお掃除をしていても、定期検診に通っていても、喫煙習慣がある方は無い方の数倍歯周病が進行しやすくなってしまいます。
ご自身の歯の健康を守るためには禁煙は非常に重要な要素であることは覚えていただいたほうがいいかと思われます。
近年では、歯周病の全身疾患への影響が各専門医などの報告によりわかっております。
その中でも糖尿病に関してはかなり多くの論文が出ております。
一見口腔内の疾患とは関係ないように思われるかもしれませんが密接に関係しており、その影響はかなり大きいと考えられています。
糖尿病により血糖値が高くなることにより、白血球や免疫に大きく影響が出ます。
先程も記述したように、歯周病は細菌感染により起こる疾患であるため、糖尿病の患者様は歯周病が悪化しやすくなります。
そればかりではなく、歯周病によって引き起こされる炎症により分泌される炎症性のサイトカインというものがあります。
この炎症性のサイトカインが糖尿病を悪化させる原因となってしまいます。
つまり、糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病を悪化させるという負のサイクルがどんどん加速してしまうという事になります。
また、歯周病は脳梗塞や心疾患、認知症などの多くの疾患や低体重児出産との関連性が示唆されております。
まずご来院頂きお口の中の資料(レントゲン写真、カラー写真、歯茎の検査)をとります。
資料をもとに患者様の病態に応じた病状や治療法の御説明を行います。
歯ブラシがきっちり出来ているかを磨いてるところを観察しアドバイスを行います。
衛生士による浅い部分の歯石除去、歯の表面の研磨・トリートメント処置を行います。
後日、再評価の検査を行い歯茎の腫れの指標となる歯周ポケットの値やプラーク付着率に問題がなければ経過観察(メインテナンス)に移行します。
半数以上の方がここまでの処置で問題なく改善します。歯肉炎や初期の歯周炎はここで治療終了となります。
検査の結果歯周ポケットが深く残っている部位に対し、深部の歯石除去と汚染部位の除去を数回に分けて行います。この処置は痛みを伴う場合麻酔併用で行います
深部歯石除去後再度評価の検査を行います。
9割程度の患者様はここまでの治療で改善します。
中程度までの歯周炎の患者様のはここで治療終了となります。
重度の患者様はここから短期間でのメンテナンスで経過観察(メインテナンス)をするか歯ぐきを開いて行う歯周外科処置のどちらかを選んでいただきます。
同意が得られた場合、歯周外科手術に移行します。
手術は当院で日帰り約1時間程度の簡単な手術になります。(1回につき1歯から6歯まで)
手術1週間後に糸抜きに来て頂きます。
これを問題のある部位全てに行います。
全ての工程が終わったら最終評価の検査を行います。
検査結果を確認し、経過観察(メインテナンス)に移行します。
重度の患者様には通常より短いスパンでのメインテナンスをお勧めしております。
メインテナンスに関しては病状により保険適応となります。
詳細は当院スタッフまでお問い合わせください。
メインテナンスの最適期間に関しては細菌増殖のサイクル上3ヶ月~4ヶ月に一度が推奨されております。ただしこの期間は全ての患者様に適しているわけではありません。病状など含めて検討が
必要なため最適期間に関してはお気軽にご相談ください。
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